芍薬といえば、美しく咲く花のイメージが強いですが、
じつは古くから漢方薬の原料としても親しまれてきた植物です。
この記事では、「芍薬ってどんな効能があるの?」「どう使われてきたの?」という素朴な疑問に答えながら、
芍薬を漢方として捉える視点をわかりやすく紹介していきます。
芍薬を育てたり飾ったりするだけでなく、内側からも整える力を知ることで、もっと深くこの植物に親しめるようになりますよ。
芍薬は、れっきとした「生薬(しょうやく)」
漢方の世界で「生薬」とは、植物や動物、鉱物などの天然素材を乾燥・加工して、薬効を活かしたもののこと。
芍薬は、根の部分を乾燥させて使います。
日本や中国では何千年も前から、芍薬の根を煎じたり、他の生薬と組み合わせたりして、体を整えるために用いられてきました。
芍薬には2種類ある?「白芍(びゃくしゃく)」と「赤芍(せきしゃく)」
漢方で使われる芍薬には、大きく分けて以下の2種類があります:
🔸 白芍(びゃくしゃく)
- 栽培された芍薬の根を使い、皮をむいて白く加工したもの
- 肝(かん)の働きを助け、筋肉のけいれんを鎮める
- 主に虚弱体質・生理不順・腹痛などに使われる
🔸 赤芍(せきしゃく)
- 野生に近い芍薬で、皮付きのまま使う
- 血のめぐりを良くし、うっ血や炎症を改善する作用
- 痛みのある症状(頭痛、打撲、関節痛など)に用いられることが多い
芍薬が使われている有名な漢方薬
| 漢方名 | 主な効能 |
|---|---|
| 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) | 冷え性、貧血、月経トラブルに。女性に処方されることが多い |
| 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう) | 胃腸の調子を整え、腹痛をやわらげる |
| 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう) | 急な足のつり、こむら返り、筋肉のけいれんに即効性あり |
※芍薬単体で使うことはほとんどなく、「組み合わせ(配合)」によって効果が発揮されるのが漢方の特徴です。
飲み方と注意点|自分に合うかどうかがいちばん大切
芍薬が使われた漢方薬は、粉末(エキス顆粒)や煎じ薬、カプセルなどで販売されています。
自己判断での服用もできますが、体質によっては合わないこともあるため、できれば薬剤師や漢方専門医に相談を。
また、芍薬は妊娠中の使用に注意が必要な生薬でもあるため、症状に合わせた選び方が大切です。
芍薬を「内から取り入れる」という視点
芍薬を育てたり、飾ったりするだけでなく、体に取り入れて整えるという文化は、
古くから私たちの暮らしとともにありました。
もちろん、庭の芍薬をそのまま漢方薬に使うわけにはいきませんが、
その背景を知るだけで、植物との向き合い方に深みが増すような気がします。
まとめ
芍薬は、美しさだけでなく、内側を整える力を持った植物でもあります。
漢方の世界では、長年にわたり女性の不調や血のめぐり、筋肉の緊張を和らげるために活用されてきました。
芍薬堂本舗としては、そんな芍薬の力を、暮らしの中にやさしく取り入れるヒントとして、これからもお伝えしていきますね。
